検査部は大きく2つの部門に分かれています。
患者さんに接して検査を行う「生理検査部門」と患者さんから採取した検体(血液、尿、便、喀痰、その他)を検査する「検体検査」です。
医師の指示により、この2つの部門の中から臨床検査技師が様々な検査を行い、病気の診断や治療の方針、効果の判定に寄与しています。内視鏡室へ出向し検査の補助等も行っています。
また当検査部には視能訓練士が所属しており眼科領域の検査も実施しています。
技師長あいさつ
チーム医療の一員として、患者さんの一日も早い社会復帰を願って日々の仕事に取り組んでいます。
また技術向上のために学会や講習会、研修会等に積極的に参加し知識や技術の習得に努めていきたいと考えておりますので、宜しくお願いいたします。
中央検査部 技師長 薄井俊幸
基本方針
- 安全、安心な医療を行うため、適切な臨床検査情報を迅速かつ正確に提供します。
- 専門知識、技術の習得、向上に努め、医療の質を高めます。
- 医療チームの一員としての連携をはかります。
疾患の早期発見、適切な治療、予後の予測に臨床検査は欠かせません。安全、安心な医療が求められる一方で、医療は複雑化し医療技術は高度化しています。
質の高い医療に貢献するために医療技術の習得と専門知識の向上をはかります。迅速な情報提供のための業務の効率化をはかります。
これらを通してチーム医療の柱として役割を果たしてまいります。
皆さまに深く信頼して頂ける検査部を目指してスタッフ一同、努力を重ねていきたいと思います。
中央検査部について
当部は臨床検査技師19名、視能訓練士3名、検査クラーク1名で構成されています(令和6年4月現在)。
様々な認定資格を取得している技師が在籍しておりますので、検査の分野でご不明な点などございましたらお気軽におたずねください。
信頼される超音波検査士を目指して
超音波検査士(消化器領域、体表領域)——–日本超音波医学会認定
乳房超音波認定——–日本乳がん検診精度管理中央機構
精度の高い検査をより正確に、より迅速に
緊急検査士——–日本臨床検査同学院
二級臨床検査士(臨床化学、血液、循環生理)——–日本臨床検査同学院
認定検査技師(一般)——日本臨床衛生検査技師会
精度管理責任者——-日本臨床衛生検査技師会
より安全な医療を行うために
医療安全管理者——–日本病院協会
毒物劇物取扱責任者——–神奈川県
チーム医療を積極的に
消化器内視鏡検査技師——–日本消化器内視鏡学会
NST専門療法士——–日本臨床栄養代謝学会
神奈川糖尿病療養指導士——-神奈川県糖尿病療養指導士認定機構
検査結果の品質管理(精度管理)
試薬メーカーの品質管理物質を使用し、厳しいデーター管理を院内で日々行っています。
その他にも医師会や技師会等、外部の精度管理にも積極的に参加しています。
患者さんへのお願い
・本人確認のため氏名、生年月日をお聞きします。
・緊急の患者さんや、時間ごとに検査をしなければいけない方がいらっしゃる際にはその方が優先になります。
また、予約検査の場合には予約の方を優先にさせて頂きますので、ご承知おきください。
・その他にも検査項目やその時々によって、ご協力いただく事がありますが宜しくお願いいたします。
検査の紹介
【2023年度実績】
・超音波検査 5,700件
・心電図検査 9,800件
・血圧脈波検査 1,300件
・呼吸機能検査 730件
・生化学検査 55,000件
・血液検査 70,000件
・凝固検査 25,300件
・ウイルス検査 24,500件
・内分泌検査 23,700件
・免疫検査 44,000件
・一般検査 32,000件
検体検査部門
中央採血室
医師から依頼のある検体検査に必要な採血を行います。待ち時間を少なく快適に採血をお受けいただけますよう努力しております。
【注意事項】
・担当医師の説明をよくお聞きいただき、納得、同意の上で採血を受けてください。
・主に腕から採血いたしますので、袖のきつい服の着用は避けていただき、肘上まで出しやすい服装でご来院ください。
・下記に該当する場合にはご遠慮なくスタッフにお申し出ください。
- 採血時にご気分の悪くなられる方
- 消毒、手袋、絆創膏にアレルギーをお持ちの方
- 血液透析中の方、血液透析のために血管を確保している方
- 乳房切除手術を受けられた方
- 採血に関して、ご質問、ご希望、ご不安な点のある方
・採血は主に左右上腕から行いますが、採血困難な場合は手の甲等から採血することがあります。
・採血後、絆創膏にて止血致します。その上から採血部位を「揉まずに」止血するまで(約3~5分間程度)圧迫してください。
・止血直後に採血した方の腕で重い荷物をお持ちになられるなどの動作により、再出血する場合があります。
検査内容、結果判断においてご不明な点は、担当医にご相談くださいますようお願いいたします。
生化学検査
生化学検査は血液や尿の中に含まれる種々の蛋白質、酵素、脂質、ミネラルなどを自動分析装置で化学的に分析し、病気の診断や治療効果の判定に用いる主要な検査です。
健康診断でよく目にするγ-GTPや中性脂肪、コレステロールなどの他に血糖値や糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cも生化学検査で測定しています。
血液検査
血液分野では自動分析装置と顕微鏡を使用して血液中に含まれる成分(赤血球、白血球、ヘモグロビンなど)の数や形態の検査を行っています。また、血液の固まる時間を測定する凝固系の検査も実施しています。
主に炎症反応の評価や貧血の検査、白血病などの血液疾患の検査ができますので病態を把握するために重要な検査です。
輸血検査
輸血検査は患者さんの血液型と適合する血液を安全に輸血するために行う検査です。
誤った血液型の血液を輸血してしまうと体の中で血液が固まったり溶血したりして重篤な状態になります。それらを防ぐ目的で交差適合試験、血液型検査、不規則抗体検査を実施しています。
免疫検査
一般検査
一般検査では尿、便、髄液、穿刺体腔液などを対象として検査します。
一般検査で代表的な検査といえば尿検査です。患者さんに苦痛を与えず非侵襲的に短時間で結果を出すことができ、腎、尿路系疾患だけでなく肝臓、内分泌系疾患の状態をよく反映することから、診断の補助やスクリーニング検査として役立っています。
生理検査部門
心電図検査
心臓は微弱な電気で動いており、その電気をとりだして波形として表したものが心電図です。この検査は心疾患の有無を調べるために入院時や手術前、健康診断などで一般的に行われています。
不整脈や冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)の病気の鑑別に役立ちます。
【注意事項】
・心電図の電極等は素肌に取り付けますので、胸部が出せるよう、脱ぎ着が簡単な服装でお越しください。
・両手足首にも電極等を取り付けますので、両手足首を出しやすい服装でご来院ください。
・痛みのない検査です。体に力が入っていますと筋電図としてノイズが混入し波形がきれいにとれないことがありますので体の力を抜いていただき、なるべく楽に検査を受けてください。
・検査所要時間は5分程度です。
運動負荷心電図(マスター心電図検査)
階段を一定時間に規定の速度で昇降していただき、心臓に運動負荷をかけて心電図の変化を調べます。
運動前後の心電図を比較し、労作による虚血の有無を知る事ができます。
【注意事項】
・負荷をかける程度を決めるために体重をお聞きします。
・足腰に不安がある患者さんの場合、必要時に転倒などないよう検査者が介助いたしますのでお申し出ください。
・運動中の胸痛や胸の違和感、足が痛くなった場合等、体調に変化を感じましたら直ぐにお申し出ください。
・検査所要時間は種類や状態によって違いますが、15分程度です。
ホルター心電図
小型の検査装置により24時間にわたり心電図を記録する検査です。症状が出たときにどんな心電図が出ているのかを調べる検査になります。
1日のうちに数回しかでない胸の症状がある方を診るのに適しています。
狭心症や不整脈などの診断に役立てます。装着時間は15分程度です。
【注意事項】
・小型の検査装置を取り付けて24時間、普段と変わりなく生活していただけます。
・ゆったりとした服装でご来院いただくことをお勧めします。
・装着中は行動記録カードという専用のカードに症状などを記入していただきます。
・検査装置は防水ではないので検査中は入浴やシャワーなどはできません。
・返却の為に2日間連続でご来院いただく必要があります。
翌日、検査終了時間に来院できない患者さんは、ご自身で機械をはずしていただき返却をお願いいたします。返却はご本人以外の方でも結構です。
・結果は解析の判読の都合上、10日前後かかりますのでご承知おきください。
肺機能検査
肺活量を測定したり、肺の機能を調べる検査です。
主に呼吸器系疾患の診断のために行いますが、手術前など全身のチェックをする目的で行う場合もあります。
検査所要時間は内容により異なりますが10~15分程度です。
【注意事項】
・努力次第で検査成績が変わることがあります。検査中は担当技師が声をかけて誘導いたしますので、ご協力をお願いいたします。
・検査前に問診させていただきます。
-予測値を出すために身長と体重をお聞きします。(不明な場合は検査室で計測させていただきます)
-喫煙歴についてお聞きします。喫煙歴のある方には、喫煙を始めた時期や年数や1日の平均喫煙本数についてお聞きします。
血圧脈波検査
動脈のしなやかさや硬さを見る検査です。
ご自身の血管年齢が分かり、動脈硬化の程度や詰まりを評価できます。検査所要時間は15分程度です。
【注意事項】
・予測値を出すために身長と体重をお聞きします。(不明な場合は検査室で計測させていただきます)
・血圧脈波の電極等は素肌に取り付けるので、胸部が出せるように脱ぎ着が簡単な服装でお越しください。
・両手、両足首にも電極等を取り付けるので上腕と足首を出しやすい服装でご来院ください。
・血圧計に圧がかかりますと、痛みを感じる場合があります。
・血液透析中の方や、圧をかけてはいけない部位のある方はお申し出ください。
・検査所要時間は15分程度です。
超音波検査
超音波検査は放射線などを使わず、非侵襲的な検査法であるため繰り返しの検査が可能です。
動いている臓器をそのままリアルタイムに観察し評価できる特徴を持ち、患者さんに優しく有用な診断ツールです。ゼリーを塗ってプローブという機械の一部を患部に押ししあてて検査します。
検査時間はその内容により様々です。
【注意事項】
●腹部超音波検査
・午前の検査では朝食を抜いてください。午後の検査では昼食を抜いていただき、さらに朝食は検査のおよそ6時間前までに済ませておいてください。
・飲水や薬の服用の制限はありませんが、牛乳やミルクなど脂肪を含むものは胆のうが収縮してしまいますので飲まないでください。
・膀胱、前立腺、子宮、卵巣を検査部位に指定されている場合には尿をためておいてください。
●心臓超音波検査
・検査前の食事、飲水や薬の服用などの制限はありません。
・検査は胸に3ヶ所心電図のモニターを装着し、胸部に探触子をあて検査します。胸をはだけやすい服装でご来院ください。
●血管超音波検査
・頚部、下肢動静脈、透析のための血管を検査される患者さんでは食事、飲水や薬の服用などの制限はありません。
・検査部位が腹部血管の時には食事抜きでお願いいたします。
・検査は各血管の部位に探触子をあてて行いますので、頚部血管の場合は首の部分が大きく開く服装で、手足の血管超音波の場合は脱ぎ着が簡単な服装でご来院ください。
・検査時間は内容にもよりますが15分程度から1時間以上かかる時があります。下肢動静脈や透析のための血管をみる際には、お手洗いをすませておいてください。
●胎児超音波検査
・検査前の食事、飲水や薬の服用などの制限はありません。
・仰向けに寝た状態で検査を行いますので、赤ちゃんの重みによって腹部が圧迫される場合があります。検査中でもご気分がすぐれない時、体勢がつらい時には遠慮なくお申し出ください。
●乳腺、甲状腺(体表)超音波検査
・検査前の食事、飲水や薬の服用などの制限はありません。
・検査部位が出しやすい服装でご来院ください。
・乳腺や甲状腺に超音波を使用して細胞採取する精密検査も行っています。
新生児聴力検査
お子さまの聞こえに問題があるかどうか気付くのは難しく、まして赤ちゃんの聴覚異常に気付くのは非常に難しいことです。
当院では以下の様な理由から新生児聴覚スクリーニング検査をお勧めしています。
●生まれたばかりの赤ちゃんに、聴力検査が必要なのはなぜ?
1.言葉の発達には聴力が必要です。
言葉を修得し知識を発達させるためには、聴力がとても重要です。音の刺激を繰り返し受けることによって、脳が学習、発達し、言葉の意味を理解できるようになります。
2.聴覚障害を早期に発見できます。
聴力検査を行わない場合、赤ちゃん自身が症状を訴えることがないので、2~3才頃になって「言葉が遅い」 ことから、初めて難聴に気づくことが少なくありません。
3.早期に治療、訓練が開始できます。
聴覚に障害がある場合でも、発見が早いほど、適切な治療や訓練によって聴力や言葉の発達を促し、他の赤ちゃんと同じように成長することができます。
●検査方法
授乳後や沐浴後の赤ちゃんが眠っているときに、両耳にイヤホンと3か所にシールを貼り付けます。イヤホンから小さなクリック音を出し、赤ちゃんのこの音に対する反応を測定します。検査時間は赤ちゃんの状態によって様々です。
また、検査は出産2日後から退院するまでの間に行いますので、再度来院する必要はありません。
●検査結果
・「パス(pass)」の場合
先天性難聴は否定されたと考えられます。しかし、頻度は低いのですが生後におこる中耳炎や風疹による後天性、進行性難聴は発見できません。
・「要再検(refer)」の場合
あくまで精密検査が必要であるということで、ただちに聴覚障害を意味するものではありません。 小児の聴覚障害を診断できる専門機関で確定診断を行う必要があります。
NOテスト
呼気中のNO(一酸化窒素)濃度を測る検査です。呼気NOは喘息で上昇することから、喘息補助診断に有用なマーカーと考えられています。
喘息患者さんでは気道に炎症がある場合、多量のNOが産生されるため健常人やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に比べて呼気NOが高濃度になります。
【注意事項】
・検査1時間前から絶飲食(ただし水のみ可能)運動、たばこも1時間前から禁止です。
・臨時で検査の場合は飲食、運動、喫煙を行った時間から1時間ほど空けば検査可能です。
・検査所要時間は10分程です。
簡易型終夜睡眠ポリグラフィー検査(簡易型PSG)
睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査です。
寝ている間の無呼吸の回数や、いびき、血中の酸素濃度を記録するもので、ご自宅に機械を持ち帰っていただき、患者さん自身で検査していただきます。
検査方法は担当技師が指導させていただきますので、ご安心ください。検査は一晩行います。
【注意事項】
・自宅に持ち帰って検査していただきますので、第1日目に、装着と機器の操作を説明いたします。
・翌日の朝に検査機器を返却していただきます。
・マニキュア、ネイル等は事前に取り除いてください。指に付けるセンサーが反応できず検査できません。
精密型終夜睡眠ポリグラフィー検査(精密型PSG)
睡眠時無呼吸症候群の精密検査です。
病院に一泊入院していただき、夜間どのように眠っているのか(睡眠の質の評価)、夜間の呼吸は止まっているのか(呼吸状態)などを調べる検査です。
他にむずむず脚症状や不随意運動の有無などもわかります。
【注意事項】
・体調が悪くキャンセルされる場合には早めにご連絡ください。(後日改めて予約の取り直しとなります)
・持参薬(他院を含む)がある方は継続し服用してください。
・入室後はベッドでの臥位はお控えください。(日中寝てしまうと検査に影響がでます)
・院内では自由に歩きまわっていただいて結構ですが、検査機器装着後は個室内までとさせていただきます。
・アメニティー(寝間着ほか)は有料ですが、その他に検査の為にTシャツを1枚使います。Tシャツを1枚、自宅よりお持ちください。
・マニキュア・ネイル等は事前に取り除いてください。指に付けるセンサーが反応できず検査できません。
・検査データ解析に2週間程度のお時間をいただきます。検査結果は外来にて説明をいたします。
検査当日の流れ
15:00頃 1階入退院カウンターで受付(入室後、身長・体重測定等)
18:00頃 夕食
18:30頃 病棟にて検査機器装着
8:00頃(翌日) 朝食
8:30頃(翌日) 病棟にて検査機器取り外し、その後1階カウンターで会計後に退院
眼科検査
遠視、近視、乱視、屈折検査や白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの眼疾患に関する検査、斜視や眼筋麻痺に関する検査を行います。
検査時間はその内容により様々です。
網膜三次元自動解析、視野検査、光学的眼軸長測定、視力検査、屈折検査、眼圧検査、
眼底・前眼部の写真撮影および解析、電気生理検査、超音波検査、斜視、弱視検査