産婦人科

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部長あいさつ

皆様は「産婦人科」という診療科に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。出産を取り扱う科、子宮や卵巣の病気を診る科など様々なイメージがあると思います。しかしながら、「なんとなく敷居が高いような」、「受診するのを躊躇してしまいがちな」診療科と思うかたもいるのではないでしょうか。
女性は、子宮・卵巣・卵管など男性にない臓器を持ち、卵巣からは女性ホルモンが作られ、一生において思春期、妊娠・出産、更年期など様々な体験があります。産婦人科は女性のライフサイクルに関して生じる様々な現象、問題などに対応する診療科です。
受診されたかたのお話を傾聴し、わかりやすい説明を心掛け、必要に応じ高次医療機関などにも適切に紹介するなど丁寧に診療することを心掛けております。
産婦人科は、「敷居が高くない」診療科ですので、受診希望のかたは安心してご来院ください。

産婦人科 部長 小井戸 茂

産科のご紹介

当院では皆様方の妊娠・出産をサポートし、安全・安心な出産を提供できるよう医師・助産師・看護師一同努めております。
出産様式は、できるだけ自然分娩を目指していきたいと考えておりますが、医療介入を全く行わない経過では、時として母体・胎児とも危険にさらされてしまう場合もあります。現在の日本の妊産婦死亡数は年間約30人前後です。明治・大正時代は年間6,000~7,000人、昭和25年では年間4,000人前後でした。残念なことに、どれだけ医療が進歩し妊産婦死亡数が減少しても0にはならないという事実もあります。そのなかで安全な産科医療を行うために当院では、24時間緊急帝王切開ができる体制を整え、輸血を常備しております。また、高次医療機関への転院搬送が必要と判断された場合には責任をもってこれを行っています。
当院で出産希望の妊婦様の出産は、基本的には当院で受け入れています。また、ハイリスク妊娠(合併症がありそれが不安定な状況である場合など)は、高次医療機関に紹介する場合があります。
他院から当院への里帰りの妊婦様、当院から他院への里帰りの妊婦様の診察も行っておりますのでお問い合わせください。
産科セミオープンシステムも利用可能です。これは当院の近隣の「田所産婦人科」(相模原市中央区相模原3-5-23、電話042-752-3541)で主に妊婦健診を受けていいただき、妊娠34週以降は当院で妊婦健診を行い当院で出産するシステムです。詳細は田所産婦人科にお問い合わせ下さい。
また、若年者の妊娠・出産、日本語を話せない外国人妊婦の妊娠・出産も自治体と協力し取り組んでおります。妊娠しどうしていいかわらず悩んでおられる方はお早めに安心して受診してください。
産科病棟はA棟4階となります。詳しくは院内案内図をご覧ください。

婦人科のご紹介

婦人科良性疾患手術・経過観察(子宮筋腫・卵巣嚢腫等)、婦人科悪性腫瘍の診断、子宮癌検診、子宮脱、性行為感染症(性病)、経口避妊薬、緊急避妊(アフターピル)、月経困難症(生理痛・過多月経等)、更年期障害等、幅広く対応しております。
婦人科悪性腫瘍は、日本では年間に子宮頸癌は約11,000人、子宮体癌は約17,000人、卵巣癌は約13,000人発生しています。その中でも子宮癌は子宮癌検診や不正出血等による早めの受診により早期発見・早期治療・良好な予後につながる可能性がある疾患です。当院では相模原市の子宮癌検診を行っておりますので1年に1回の子宮癌検診を是非お受けになってはいかがでしょうか。
女性の体調不良に際し、漢方療法も積極的に取り入れております。女性の不調な症状に対して、生活習慣の改善、食生活の改善に加えて、漢方療法も一助になるものと考えております。些細な事でもご相談ください。

漢方外来についてはこちらをご参照ください

外来担当医表

最終更新日:2023年11月5日

産婦人科 午前 村上
山本
内田
勝沼
村上
小井戸
勝沼
山本
内田
勝沼
内田
交代医師
午後 小井戸
内田
交代医師
助産師外来(予約制)
山本(原則予約のみ)
助産師外来(予約制)
小井戸
山本
村上
勝沼

※1 助産師外来は予約制となります。
※2 水曜日午後の山本医師の診察は原則予約のみとなります。

妊娠した時の診察のながれ

まず受診動機としては、「予定の生理が遅れている」、「妊娠してるかも」と考え、市販の妊娠検査キットを用いて陽性と判定し来院される方が一番多いと思います。妊娠検査キットが陽性の場合には「妊娠」と考えていいと思います。
産婦人科の役割としては、その妊娠が子宮内の正常な妊娠かどうかを確かめることから始まります。超音波検査で子宮内に胎嚢(妊娠している場所)が見えるのが妊娠5週前後です(28日周期の月経の方で生理が1週間程度遅れている時期)。子宮内に胎嚢が見えましたら、1~2週間後に胎児(胎芽)や胎児心拍の有無を確認します。その後、胎児が2~3㎝前後に成長した時点で妊娠週数の確定と出産予定日の決定をします。
予定日が決定したら、母子手帳を利用し妊婦健診や妊娠初期検査(採血など)を行っていきます。

妊婦健診のながれ

通院の間隔は、
 ~23週(~6ヶ月) 4週毎
 24週~27週(7ヶ月) 2週毎
 28週~35週(8~9ヶ月) 2週毎
 36週~分娩まで 毎週
となります。

妊婦健診受診時には、毎回以下の項目をチェックし妊娠経過を診ていきます。
 血圧、尿検査(尿蛋白、尿糖)、むくみ、児心音、超音波検査、必要に応じて内診
※通院間隔、検査項目は、妊婦様ごとに必要に応じて変わることがありますので受診の都度確認して下さい。

(1)妊娠初期検査

初回の妊婦健診時に行います。

●血液型検査

●不規則性抗体スクリーニング検査

●末梢血検査

●血糖

●梅毒検査

●B型肝炎ウイルス検査

●C型肝炎ウイルス検査

●風疹抗体検査

●トキソプラズマ抗体検査(希望により実施)

●ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査

●甲状腺機能検査

(2)妊娠後期検査

妊娠27~28週頃に行います。

●末梢血検査

●血糖

●成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)検査

妊娠35~36週に行います。

●膣分泌物培養検査

●末梢血・生化学検査

妊娠36週以降に行います。

●NST

(3)産科超音波検査の限界

産科における超音波検査の目的は、赤ちゃんの発育の確認、赤ちゃんの子宮内での位置や向きの確認、胎盤の位置の確認、赤ちゃんの異常の有無の確認などです。赤ちゃんの異常が超音波検査で全て発見できる事が理想ですが、現在の産科医療において、異常の全ては発見出来ません。産まれてきてからわかる異常も存在します。
※100%万能な検査ではありません。

高次医療機関への転院について

妊娠中の経過や過去の妊娠の経過によって、当院よりも高次医療機関での出産が好ましいと判断された場合には、高次医療機関への転院をお勧めする場合があります。 妊娠中の転院としては、赤ちゃんの発育が非常に悪く、かなり小さめの赤ちゃんの出生が予測される場合や、早産の徴候が強く、低出生体重児の出生が避けられない場合、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群で早産が避けられない場合、合併症の悪化などが該当します。
分娩時の転院(母体搬送)としては、分娩時の多量出血(弛緩出血など)、子癇(妊娠高血圧症候群に関連した脳神経症状・けいれん等)、その他母体に関する重篤な合併症が発生した場合などです。
妊娠・出産は多くの場合は順調な経過をたどりますが、突然急変することもあり、あらかじめ予測が困難なことが多くあります。そのような場合に急な転院などに戸惑うこともあると思いますが、母体や赤ちゃんの生命に対する懸念がある状態ですのでご理解いただきますようお願い致します。
相模原市の高次医療機関としては、総合周産期母子医療センターは北里大学病院、地域周産期母子医療センターは相模野病院です。北里大学病院総合周産期母子医療センターが満床の際には、他院へ搬送となる場合があります。

里帰り出産について

(1)他院への里帰り出産をお考えの妊婦様へ

転院希望先の医療機関へ早めにお問い合わせになってください。
現在、新型コロナウイルスや感染症の流行、産科医療施設の減少などで、出産が可能な医療機関が減少しています。また、出産可能な医療機関であっても取り扱う出産の件数を制限している場合もあります。里帰り先が決まりましたら、どの時期に受診するか里帰り先の医療機関に問い合わせてください。妊娠中期に受診して出産の予約等が必要な医療機関もありますし、妊娠9ヶ月後半に受診すればいい医療機関もあり対応はさまざまです。最終的に里帰り先の医療機関へ受診されるときに診療情報提供書(紹介状)をお渡しいたしますので申し出てください。

(2)当院へ里帰り出産希望の妊婦様へ

出産予定日の6週間前(妊娠34週)までに受診していただきたく思います。34週での受診が不可能な場合は、電話でお問い合わせください。妊娠中期での出産予約のための受診は、必ずしも必要としていませんが、出産を取り扱う医療施設としましては、妊婦様の診察回数や情報が多いほうが好ましい側面もあります。また、妊婦様におかれましても、質問等の機会が増えますので、可能であれば、妊娠中期で一度受診されることをお勧めいたします。当院では、分娩取扱い数の制限は設けておりません。正常な経過であれば当院で出産が可能ですが、合併症妊娠の一部や前置胎盤の妊婦さんなど高次医療機関での管理が好ましい場合には他院を紹介させていただくことがございます。不明な点は電話でお問い合わせください。

お祝い膳について

退院前日には御出産祝いとして〈お祝い膳〉を選択メニューにてご用意しております。

お祝い膳
お祝い膳
お祝い膳
お祝い膳
お祝い膳
お祝い膳

費用ついて

(1)出産時の費用について

【概算費用】

正常分娩:約54~57万円(入院日数:6日間)
予定帝王切開:約56~59万円(入院日数:10日間)

出産育児一時金のお手続きをすることで50万円が支給されます
妊娠22週までに分娩予約金7万円を入金願います。
(分娩時間〔休日・深夜〕や経過等により、お支払い額が異なります)
※2022年10月1日より、分娩予約金が7万円に変更になりました

(退院時お支払い額例:分娩予約金7万円の場合)

(全入院費)54万円 - (出産一時金)50万円 - (分娩予約金)7万円 = (退院時お支払い額)3万円 ご返金

※2023年4月1日 現在
※入院費によりお支払い額は変動します

!分娩費用の改定ついて

光熱費・医療材料費・衛生材料費等の高騰により、分娩費用を改定させていただきたくご案内いたします。
なにとぞご理解の程よろしくお願い申し上げます。

【適用開始日】

2024年4月1日 出産予定日の方より

※3月ご出産予定日の方まではこれまでどおりの費用となります。
※4月ご出産予定日の方より新価格対象とさせていただきます。

【改定後 概算費用】

正常分娩:約57万円~59万円(入院日数:6日間)
帝王切開:約58万円~60万円(入院日数:10日間)

分娩費用改定比較 改定前
(2024年3月31日まで)
改定後
(2024年4月1日より)
経腟分娩 約△54~△57万 約△57~△59万
帝王切開 約△56~△59万 約△58~△60万

(2)リピート割引・紹介割引・三世代割引について

当院でのご出産が2回目以上の妊婦さんには『リピート割引』、当院で出産された方からの紹介妊婦さんには『紹介割引』、当院で産まれた方で当院にて出産される妊婦さんには『三世代割引』として、分娩費用から最大3万円を割引させていただきます。

経腟分娩 帝王切開
分娩費用 約54~57万 約56~59万
出産一時金 △50万
リピート割引・紹介割引・三世代割引 △3万
割引後分娩費用 約1~4万 約3~6万

※窓口払いの費用が3万円に満たない場合は、その自己負担分のみの割引になります。

!紹介割引について

分娩費用紹介割引をご利用希望の患者さんは、今回ご出産予定患者さん妊娠22週までに分娩費用紹介割引申請書をご記入のうえ、ご提出ください。対象条件を満たしていない場合、もしくは申請期限が過ぎた場合は対象となりませんので、ご注意ください。

(対象条件)

1.当院での出産が初回の方
2.ご紹介の方が当院にて出産されている(紹介者が現在妊娠中で、まだ出産されていない場合も対象です)
3.出産予定妊婦さんが22週までに申請用紙を記入し、産婦人科ご提出ください(提出期限が過ぎた場合は対象となりません)
 ※里帰りにて当院で出産予定の方は、2階受付へ33週頃までに提出してください
4.分娩費用紹介割引申請書は、ご紹介者・出産予定妊婦さんともに、直筆でご記入ください
5.「リピート割引および「三世代割引」との併用はできません

!三世代割引について

当院で産まれた方に対しての割引です。
あなたのお母さんが当院であなたを出産し、今回あなたが赤ちゃんを出産する場合、出産を通してあなたのお母さん、あなた自身、あなたの赤ちゃんの三世代のお世話を当院がさせていただく事になります。親・子・孫、三世代の長きに渡り当院をご利用いただいておりますので「三世代割引」として出産費用を割り引きさせていただきます。

※「リピート割引」および「紹介割引」との併用はできません

新生児の診察

当院では産まれたあかちゃんの診察を、当院の産科医、小児科医に加え、入院中に北里大学病院小児科医師にもしていただいております。

赤ちゃんの耳のきこえ(聴覚)の検査について

生まれてくる赤ちゃん1,000人のうち1~2人は、生まれつき耳のきこえに障害を持つと言われています。その場合には、早く発見して、適切な援助をしてあげることが赤ちゃんのことばと心の成長のためにはとても大切です。早期に障害を見つけて適切な援助をしていくために、生まれた時に耳のきこえの状態を調べる「新生児聴覚検査」をお受けになることをお勧めします。なお、検査費用は自己負担になります。

新生児聴覚検査とはどんな検査ですか?検査を実施することのリスクはありますか?

新生児聴覚検査は、赤ちゃんが眠っている間に刺激音を聴かせて、脳波を測定し判定する方法です。短時間で安全に行える検査で、赤ちゃんは何の痛みも感じませんし、副作用もありません。薬も使いません。検査の結果は「パス(pass)」または「要再検(refer)」のいずれかで分かります。

検査結果が「要再検(refer)」であった場合はどうしたらいいですか?

もし、検査の結果が「要再検(refer)」であった場合でも、直ちに耳のきこえに障害があることを意味するものではありません。生まれたばかりの赤ちゃんは、耳の中に液体が残っていて再検査が必要になったり、また、検査時に泣いたり、動いたりしてうまく判定できなかった可能性もあります。この検査では約1%の赤ちゃんが「要再検(refer)」と判定されます。これまでの実績では、生まれつきの聴覚障害が発生する頻度は0.1~0.2%と言われています。「要再検(refer)」と判定された場合は、耳のきこえを確認するために、必ずさらに詳しい聴力検査を受けてください。検査結果の記載された紹介状を持参して、すみやかに紹介先の耳鼻咽喉科を受診してください。

検査結果が「パス(pass)」の場合は、一生、耳のきこえの心配はありませんか?

検査結果が「パス(pass)」の場合でも、成長の過程で中耳炎やおたふくかぜなど後になって耳のきこえに障害が起こる場合もあります。また、非常にまれではありますが、検査機器の精度の限界により、難聴を見落とす可能性も否定しきれません。

費用はいくらかかりますか?

費用は自己負担で8,360円(税込)になります(市の補助券を使用できます。相模原市5,000円、町田市3,000円、その他は各市町村にお問合せください)。新生児聴覚検査は、あくまでも任意の検査です。質問がありましたら担当の産婦人科医などに相談してください。

専門外来・教室

産婦人科では母親学級を開催しております。初めて出産される方は、是非受講してください。
また、全国でも珍しいリハビリの専門家による産前・産後のリハビリをご提供しています。

(1)母親学級

-受講時期・実施日・内容-
前期 ~23 週 第2木曜日 妊娠中の過ごし方など
後期 24 週~ 第4木曜日 分娩についてなど
※1 当面の間、前期のみの開催となります。
※2 実施日が祝祭日に当たる場合には、お問い合わせください。

予約受付:産婦人科外来窓口、またはお電話(042-752-1808)
時間  :前期、後期とも 13:00~14:00
場所  :A棟7階会議室
持ち物 :母子健康手帳、筆記用具

(2)産前・産後のリハビリ

リハビリのご案内はこちらをご覧ください